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CHP テクノロジーとがん蛋白質ワクチンへの応用

 CHP は日本生まれの高分子マテリアルで、天然に存在する多糖の一種のプルランをコレステロールで化学修飾することで疎水性を付加したものです。正式にはCholesteryl Hydrophobized Pullulanと呼ばれ、「疎水化プルラン」を意味しています。
CHPは生理的条件下でナノメートルサイズの球状粒子を自己形成します(図A)。このCHP 粒子は内部に様々な物質を包み込むことができ、特に「蛋白質の包埋」に優れています。この性質によってCHP は、蛋白質の安定化や可溶化、徐放化を促進する働きを示します。
またこのCHP粒子を、蛋白質を抗原とするワクチン技術に応用する実験が行われ、その結果、CHPの大変興味深い性質が見出されました。すなわち、「CHP との複合体として抗原蛋白質を免疫すると、抗原蛋白質に特異的なキラーT 細胞とヘルパーT 細胞の両方が強く活性化される」という発見でした(図B)。
ワクチンの分野では、CHPを用いずに蛋白質のままで免疫をすると、通常はヘルパーT 細胞だけしか活性化できない、低活性のワクチンとなりやすいことが良く知られています。したがって、「CHP 粒子を応用した蛋白質ワクチンがキラーT 細胞とヘルパーT 細胞の両方を活性化できた」という結果は非常に注目を集めることとなりました。またこの結果は、新しいがんワクチン「CHP がん蛋白質ワクチン」の研究開発を決定付けることになった大きな初めの一歩でした。

図A
 
図B

当社では、CHP の特質を最大限に応用した「CHP がん蛋白質ワクチン」は従来にない高性能のがんワクチンになると考え、その実用化を鋭意推進しています。また、蛋白質の安定化や徐放化の促進作用というCHP の機能を応用して既存のバイオ医薬の欠点を改良した「次世代バイオ医薬」の創製にも取組んでいます。
一方、CHP がん蛋白質ワクチンで採用する抗原蛋白質については、当社は全長もしくは充分な長さをもつ部分長蛋白質を抗原として採用する方針をとっています。その理由は下記の通りです。

  • さらにキラーT 細胞およびヘルパーT 細胞の同時活性化を目指す
     全長もしくは充分な長さをもつ部分長蛋白質は、キラーT 細胞およびヘルパーT 細胞の両者の認識エピトープ(抗原決定部位)を複数有します。この点によっても、キラーT 細胞とヘルパーT 細胞の同時活性化を図っています。
  • 一剤のがんワクチンで多くのHLAタイプに対応できる
     多くの細胞は組織適合性抗原(HLA)という分子を発現しています。HLA は、抗原提示細胞がT 細胞にエピトープを提示して活性化する際に必要な分子の一つですが、個人によってHLA のタイプに遺伝的違いがあり、免疫反応の個人差の要因の一つとなっています。全長もしくは充分な長さをもつ部分長蛋白質は、様々なHLA タイプの多くに対応できる複数のエピトープを含有します。したがって、全長もしくは充分な長さをもつ部分長蛋白質を抗原として採用したがんワクチンは、患者様を選ばないユニバーサルな治療薬として利用いただけます。
 以上のように、T細胞活性化を大きく改善するCHP テクノロジーと、多様なエピトープを含む全長もしくは充分な長さをもつ部分長蛋白質を組み合わせることで、当社は従来にない高性能のがんワクチンを提案していきます。

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